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Contact Lens Trouble Shooting (No.15)

 こんにちは、サンコンタクトレンズです。
 ハードレンズ苦情解消のノウハウを電子メールでお届けする、
コンタクトトラブルシューティングMailサービス(No.15)をお送りします。


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★ ハードレンズの安定位置と涙液交換

ハードコンタクトレンズ(HCL)はよく動いていれば、安定位置は中央でも
下方でも上方でもよいのでしょうか? 今回は、Contact Lens Trouble
Shooting への質問メールから、ハードレンズの安定位置と涙液交換につ
いてお届けします。


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★☆ Question: to サンコンタクトレンズ

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
ハードレンズの涙液交換についての質問です。

涙液交換率をあげるためには、下方安定で良好な動きが得られるフィ
ッティングと中央安定で良好な動きの得られるフィッティング・上方安
定で良好な動きの得られるフィッティングとではどれが一番涙液交換率
が高いのでしょうか?

涙液交換の原理からいくと下方安定の方が良いような気がするのです
が、いかがでしょうか?

そんなに気にしなくても良いことでしょうか?
教えていただけますか。


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★☆★ Answer: from サンコンタクトレンズ

ハードコンタクトレンズ(HCL)の動き、安定位置と涙液交換は深い関係
があり、注意深い観察と配慮が必要です。HCLの涙液交換は、下方安定
や上方安定より中央安定の方が優れています。その理由は以下のとお
りです。

1)ラウンドコルネア[注1]の場合を除きますが、通常の角膜では、
  下方安定の場合、中央安定でパラレルの場合と較べると、安定位置
  ではレンズ下に涙液のプールが多くあります。
  
2)瞬目時に上眼瞼の最も厚い部分がHCLの中心部を押すのが、HCL下の
  涙液を押し出す原動力です。このとき、HCL下の涙液層(涙液プー
  ル)が薄い程、涙液の交換は効率的です(これは以前、模型実験
  [注2]で確かめたことがあります)。

3)また、瞬きの際、レンズが角膜周辺部に移動し、角膜のフラットな
  部分に乗り上げると、レンズと角膜との間の空間の容量が増すため、
  ベベル部分に貯まった涙がレンズ下に吸い込まれます。そして、レ
  ンズが元の位置に戻るとき、ベベル部分に貯まった涙の体積分だけ
  涙が押し出され、レンズ下の涙が交換します。

4)涙の交換能率とは、瞬きでレンズ下の涙の何%が入れ替わるかとい
  うことなので、ベベル下の涙の体積を一定とすると、レンズ下の涙
  の体積が大きい方が、涙の交換の能率が悪くなります。

5)スリットランプで観察しているときはレンズがよく動いていても、
  下方安定(静止位置が下方)のレンズは長時間装用するとレンズの
  動きが悪くなり、やがて下方で少ししか動かないか、固着してしま
  うことが多いものです。

6)上方安定の場合、下方安定ほど固着で困ることは少ないのですが、
  中央安定より涙のプールが多いので、レンズが中央に戻りにくくな
  る傾向があるので、やはり中央安定の方が涙液交換が優れています。

7)以上、長い装用時間・期間を総合して判断すると、下方や上方に安
  定し、はじめはよく動いているレンズも、いずれ下方や上方で少し
  しか動かなくなります。下方や上方で少ししか動かないレンズはレ
  ンズ下の涙のプールが多く、中央安定でレンズ下の涙のプールが少
  ない場合より涙の交換が悪くなります。レンズの静止位置は最も位
  置エネルギーが低く安定する位置なので、長時間装用後にレンズが
  収斂されていく位置とも考えられます。

8)なお、「やや下方」と「やや上方」などレンズの安定位置が微妙で
  判断に困ることがありますが、長時間装用後もレンズがよく動いて
  いれば、大まかな区分として「中央安定」と考えて良いでしょう。

CLに関するご質問をお寄せ下さりありがとうございました。


注1 ラウンドコルネア−角膜中央部と周辺部の曲率にあまり差がない
角膜。下方安定・下方固着で充血、圧迫感、疲れを招きやすいので、
HCLのフィッティングに苦労することが多い。

注2 模型実験−角膜とHCLの大きさおよび涙液の粘度を5倍にした模型
で、HCL下の涙液交換をシミュレーションしたことがあります。
HCLの中央部を硝子棒で押すと、実験涙液中に入れた粉(ソフトコンタク
トレンズを粉末にしフルオレセインで染色)の移動速度は、
スティープ=フラット<パラレル でした。


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